29人が本棚に入れています
本棚に追加
朝礼が終わり、皆は小百合を取り囲む。
「結婚、おめでとう。」
「いつから、付き合ってたの?」
何も知らない女子はいい。
何の気兼ねもなく、盛り上がれるのだから。
私は、金子さんを見た。
周りの人は、皆口々に、『おめでとう。』とお祝いの言葉を、投げかけた。
ふと、金子さんと目が合った。
ニコッと笑顔を見せられ、私も釣られて笑顔になった。
ああ、好き。
何度、あの笑顔を独り占めしたかった事か。
でも、実際独り占めできるのは、小百合なんだね。
なんだか、小百合が憎くなってきた。
ダメ。
そんな感情、捨てなきゃ。
小百合は何も悪くない。
普通に金子さんと、恋愛していただけなんだから。
私は、手を握りしめた。
あの金子さんが結婚する。
同期の小百合と。
最初のコメントを投稿しよう!