好きの数だけサヨナラを

Ⅰ

もし、そうなったら……

金子さんの寂しさに付け込んで、私が金子さんの……

私は、ハッとした。

何を考えているんだろう、私。

「どうしたの？雪歩。」

「ううん、何でもない。」

私は話題を変えた。

「……いつから、付き合ってたの？」

「２年前からかな。金子さんから、付き合ってって言われて、それで。」

私の胸がチクッとした。

金子さんから、小百合に告白したんだ。

「その前から、私も金子さんの事、いいなぁって思ってたから、すごく嬉しくて。」

「へえ。そんな話、一度も聞いてないよー。」

仲のいい同期だと思っていたのに。

いいなぁって思う人がいたなんて、ううん、付き合っている人がいたなんて、知らなかった。

所詮同期は、友達とは違うって事かな。