episode.1 君という人

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楽しく歌っていれば時間はあっという間に過ぎていく。 「あぁー、楽しかった♪」 「そっか」 「秋斗は楽しくなかったの?」 「そんなことない。楽しかった」 時々見せる、素っ気ない態度。 いつものことだから気にしないけど… 気のせいかな… 今日のは違う気がする。 「秋斗… 」 「うん?」 帰り道、思わず強く手を握り締める。 急に淋しくなる私がいた。 「そこの公園にいこっ?」 「構わないけど」 握った手を引っ張って近くの公園に向かう。 無理に連れてってるのはわかってる。 でも、今日はしないといけない気がする。 大きな遊具の中。 ここなら2人だけ…。 暗いし、小さな子もいない。 「お、おい…」 「あっ、ごめん…。 でも一緒に行きたくて…」 「そうだな。 もう少し一緒にいような」 暖かい…/// 優しく抱きしめてくれた。 さっきまでの不安が和らいでいく。 「秋斗… 」 「一緒にいるから大丈夫だ。 別れたりなんかしねーよ」 彼が微笑みながら私のことを見ていた。 私は安心していた。 このまま ずっと一緒にいられると思ったから。
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