70人が本棚に入れています
本棚に追加
招かざる『相手』
次の日も、朝から暑い一日だった。
『妖怪学校』の校舎は比較的新しい感じで、清潔感があって良いと思う。
『中学』とは言っても、何しろ学生そのものが『少ない』から、全学年全員で『ひとクラス』なんだそうだ。
油すまし君が『妖怪界にも少子化の波が進行してて』って言ってたけど‥‥いやゴメン、正直意味が分かんないや。
その日の下校時。
通学路は風も収まってたけど、一反木綿は相変わらず一つ目のカバンに隠れてた。
何でも「あまり暑いとすぐに蓄熱するから」って。
‥‥ほんと、不自由なもんだなと同情するしかないよ。
そして、今日は猫娘ともう一人、可愛らしい小柄な女の妖怪と一緒だった。
「あれ‥‥? この子は?」
ボクが尋ねると。
「ああ、この子さぁ! 『砂かけ婆ぁ』なんだよ‥‥子供だけど。ケケケ!」
猫娘が楽しそうに笑う。
「‥‥よろしく」
うーん、どう見ても『婆ぁ』は無いな‥‥『婆ぁ』は。
だけど、無理して『爺ィキャラ』を作っている『子泣き爺』よりは健全だと言えるだろう。
「な、何というか‥‥カワイイよね?」
‥‥『妖怪だ』という点を除けば、だが。
すると、
「やだぁぁ!」
砂かけ婆ぁが、嬌声を上げたと思った瞬間、
バッ‥‥!!
最初のコメントを投稿しよう!