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「こら、一つ目の!余計な事を言うでないわ!」
子泣き爺が一つ目に文句を言う。
「い、いや、でもそんな無理に言葉遣いとか変えなくても『見た目』からして十分に『お爺さんっぽい』って言うか‥‥」
何とか、ボクもフォローを試みるが。
「えっー!アンタ、ホントにそう思うわけぇ?」
猫娘がケラケラと笑う。
「よっく、見てご覧よ?この『爺ィ臭い』の、『特殊メイク』だよ?」
「マジでぇぇぇぇっ!」
やめろぉぉぉ!
『特殊メイク』って何だよぉぉぉ!
「や、やめんか猫娘っ!ネタバレするんじゃない!儂にだって『ブランド・イメージ』ちゅうモンがあるんじゃ!」
ふと、ボクの中で何か『大きな壁のようなもの』に『亀裂』が入る感覚に襲われた。
「別に、いーじゃんかぁ!アンタ自分で『正しい知識が必要』って言ってたじゃーん!」
猫娘は不満そうだ。
うん、そうだよな。さっき一反木綿に言ってたよな。完全にブーメランだよ。
「アタシさぁ、一度だけ子泣き爺の『スッピン』を見た事あるけど、結構『イケてる』って思ったけどなぁ?」
勘弁してくれぇぇぇ!『スッピン』って何だぁぁぁ!
‥‥ああそうか、やっとわかった。
『眼がふたつある一つ目小僧』
『実は飛べない一反木綿』
そして
『素顔はイケメンの子泣き爺』
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