給食の時間がやってきた

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いつの間にかボクの呼び名は『阿部っち』になっているらしかった。 「いや‥‥ど、どうかな‥‥はは‥‥『中身次第』だと思うけど‥‥」 中身を知りたいような、知りたくないような。 「へ?中身?いや‥‥中身は普通に『人間と同じ』だよ? シチューだってジャガイモと人参と鶏肉だし」 猫娘はキョトンとしている。 「ははぁ、さてはオメー‥‥また『古い情報』とか信じてんじゃねーのかよ?」 油すまし君が呆れた顔をする。 いや、だって『妖怪の最新事情』とか知らないし! 「そもそもさぁ、オレら『人間とって食う』なんてしねーんだよ。そんな事しなくたって、昔から野山で自給自足してんだから」 当人?が言うのだから『人を食わない』のは間違いは無いのだろう。 ただまぁ拍子抜けし過ぎて『人を食ったような』妖怪(れんちゅう)だとは思うが‥‥ すると、奥にいた男子が溜息混じりに言った。 「僕だってそうだよ?大昔、畑でキュウリを育ててたところを偶然に見つかってさぁ‥‥そしたら『それだけの情報』で『カッパはキュウリしか食わない』って、今でも言われるんだよ? とんだ風評被害だよ!」     
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