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遊ぶのも簡単じゃない
ここは『妖怪学校』だそうだけど、建物も立派だしチャンとした校庭だってある。
だが‥‥
妖怪は、昼ごはんが終わった後でも校庭に出て遊んだりする様子は無かった。
やはり、妖怪に『昼の太陽』は厳しいんだろうか?
「ん? どうかしたかい?」
一つ目が、ボクの落ち着かない様子に気づいた。
「いや‥‥皆んな、校庭には出ないんだな‥‥と思って」
「ああ、そういう事か。まぁ‥‥『妖怪ならではの事情』ってものがあるからね。今年の夏は特に暑いしさ」
うーん、そういう処は妙に『妖怪らしい』って言うか。‥‥何があるのか知らないけれども。
「例えばホラ、君の隣りに座っている『雪女』だけど」
一つ目が、ボクの隣でじっとしている雪女を指さした。
「彼女だって、この照りつける太陽は辛いんだ。だろ? 雪女」
‥‥そりゃそうでしょうね。何しろ『身体が雪』なんだから、照りつける太陽の下で運動なんかしたら瞬間で溶けてしまうだろう。それくらいはボクにだって分かるけど。
雪女がゆっくりと、こちらを振り返る。
「‥‥この光はイヤ‥‥だって‥‥『日焼けした雪女』って、イメージ悪いから‥‥」
そういう問題かぁぁぁぁっ!
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