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「い、いや、あの、その、一応『そう』ですけども!」
いや、ボクは何を言ってるんだ?
何だか、頭が混乱して着いてこれないぞ。これはもしかしてアレか?この中学では『人間』の定義が違うとか‥‥?
「うーん、困ったな‥‥」
担任が頭を抱えている。
「もしかしてだが、君はお父さんから『何も聞いていない』のかい?」
ボクは、2日前に『この山奥の村』に越してきたばかりだ。
別に、来たくて来たワケなんかじゃない。地方公務員をしているお父さんが『転勤』って話になったから、仕方なくついて来たのだ。
「‥‥すいません、何も聞いてないです」
素直に白状するしかない。
「そうか。それじゃぁ知らなくても当然だな。いや、驚かせてしまって済まないね」
優しい笑顔で、担任がにっこりと笑う。
その笑顔に、ボクは少し安心した。
しかし。
担任はその笑顔のままで、オソロシイ話をしだしたんだ。
「この学校の生徒はね、全員が『妖怪』なんだ。いや、生徒だけじゃない。校長から用務員の皆さんに至るまで、みーんな『妖怪』で運営されている日本で唯一の『妖怪中学』なんだよ?! どうだ、すごいだろう!」
「ええぇぇぇっ!」
いやいやいや『日本で唯一』とか自慢してる場合じゃないだろ!
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