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妖怪総力戦の「鹿狩り 」!
その日の放課後。
ボク達は各々、帰宅の途についた。
ボクの住んでいる方角だと『一反木綿と一つ目の家が近い』って言うんで、一緒に帰ることにしたんだ。
というか‥‥一反木綿が居ないぞ?
「あれ? 一反木綿君って一緒に帰るんじゃ無かったっけ?」
一つ目に尋ねた瞬間、
「ん‥‥僕、此処に居る‥‥」
「うわわわわ!」
思わず仰け反ってしまった。
だって、一反木綿は一つ目の『カバンの中』から、頭だけ出していたんだ!
「なっ!何してるの!」
「今日‥‥風、強いから『運んでもらって』るんだ‥‥」
‥‥ああ、言ってたな‥‥『飛ばされる』って。
「ははは!別に構わないさ。そんな重いワケじないしね!」
うーむ、この一つ目は顔だけじゃなくって行動もイケメンなんだな‥‥
するとその時、道の反対側から声を掛けてきた村人が居た。‥‥多分、この人?も妖怪なんだよな、きっと。
「どうしたの?」
一つ目が尋ねると。
「ああ、畑がね。畑に『鹿が出た』んだ。結構、ガッツリ作物をやられたよ、今回は!」
そう吐き捨てて、妖怪は去って行った。
『鹿』かぁ、そうだろうな。こんな山奥だし。
「‥‥うーん、またやられたかぁ‥‥暫く大人しかったのにね」
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