妖怪総力戦の「鹿狩り 」!

1/4
前へ
/65ページ
次へ

妖怪総力戦の「鹿狩り 」!

その日の放課後。 ボク達は各々、帰宅の途についた。 ボクの住んでいる方角だと『一反木綿と一つ目の家が近い』って言うんで、一緒に帰ることにしたんだ。 というか‥‥一反木綿が居ないぞ? 「あれ? 一反木綿君って一緒に帰るんじゃ無かったっけ?」 一つ目に尋ねた瞬間、 「ん‥‥僕、此処に居る‥‥」 「うわわわわ!」 思わず仰け反ってしまった。 だって、一反木綿は一つ目の『カバンの中』から、頭だけ出していたんだ! 「なっ!何してるの!」 「今日‥‥風、強いから『運んでもらって』るんだ‥‥」 ‥‥ああ、言ってたな‥‥『飛ばされる』って。 「ははは!別に構わないさ。そんな重いワケじないしね!」 うーむ、この一つ目は顔だけじゃなくって行動もイケメンなんだな‥‥ するとその時、道の反対側から声を掛けてきた村人が居た。‥‥多分、この人?も妖怪なんだよな、きっと。 「どうしたの?」 一つ目が尋ねると。 「ああ、畑がね。畑に『鹿が出た』んだ。結構、ガッツリ作物をやられたよ、今回は!」 そう吐き捨てて、妖怪(むらびと)は去って行った。 『鹿』かぁ、そうだろうな。こんな山奥だし。 「‥‥うーん、またやられたかぁ‥‥暫く大人しかったのにね」     
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加