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一反木綿も、カバンから出ている頭を抱えていた。
「しゃーないよ。近々にまた『鹿狩り』をしなきゃいけないね、皆んなでさ」
そうか‥‥田舎も大変なんだな。さっき『自給自足』って言ってたから畑の作物を横取りされるのは死活問題だろうし。
というか。
『妖怪総掛かりの鹿狩り』か‥‥
何か‥‥『能力バトル』的なワクワク感があるというか。
どうやって鹿を狩るんだろうか?
「ねぇ、鹿狩りってどうやってやるの?」
ボクの問いに、一つ目が「簡単だよ」と答える。
「まず、三チームに分かれて手分けしながら広範囲に鹿を探すんだ。それで、鹿を見つけたら他のチームに連絡して応援をもらい『挟み撃ち』ってのが基本だね」
『それ』だけ聞くと、『ああそうか』って思うけど。
「いや‥‥というか、この山の中でどうやって『他のチーム』と連携をとるの?」
山の中だと、数メートル離れても相手が見えなくなる事だってあるハズだ。それを広範囲から『挟撃』っていうのは?
やはり、そこには『妖怪ならでは』の特殊な‥‥『以心伝心方法』が‥‥?
「連携? ああそれは簡単だよ」
一つ目はアッケラカンとしている。やはり『何か』あるんだ!
「これを‥‥使うんだよ」
一つ目がポケットから何かを取り出してボクに見せてくれる。
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