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そういう都市伝説の多くは『作り話』だ。各地で似たような話が語られているだけで、最怖のスポットなんて言われている場所でも『証拠が出た』という話は聞いた事がない。
だが、妖怪は真剣に信じているようだ。
いや、しかし‥‥だ。
基本的に何か、おかしくね?
「あのさ‥‥ひとつ聞いていい? 君ら、『妖怪』だよね? その‥‥妖怪が『幽霊』を怖がるの?」
『オカルトがオカルトを怖がる』というは、流石に理解に苦しむというか。
「そんな事を言われてもなぁ‥‥」
一つ目が困った顔をする。
「そうそう、僕らでも『怖いものは怖い』んだよ!」
「いや‥‥『怖い』っていう点では、君らも『変わりない』というか‥‥別に、幽霊が『何かする』ってワケでも無いんでしょ? 『見える』ってだけでさ」
しかし、二人は不満そうだ。
「いやいや、『見える』ってだけで充分怖いでしょ! オレらはこれでも『実体』があるけど、幽霊って『実体が無い』んだぜ? 超こぇぇよ!」
なるほど‥‥彼らには彼らなりの『理屈』があるのか‥‥理解に苦しむけど。
「‥‥阿部っちは怖くないの? 『幽霊』って」
「いやまぁ‥‥何というか‥‥」
‥‥どう答えりゃぁいいんだ? 何しろ聞てくる相手は『カバンから顔だけ出してる一反木綿』だよ? 『これ』を目の前にして『怖い』とか言ってもなぁ。説得力が無いというか。
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