妖怪にだって怖いものはあるんだよ

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ホントかウソか知らないけど先祖は『安倍晴明』という凄腕の陰陽師の家系‥‥の『傍流』だと聞いた。 ‥‥何かパチモン臭くてアレだけど、一応それでも『その筋では有名』らしい。 もっとも、『それでメシが食える』というモノでもないので、普段は普通に地方公務員をしている。 「ははは‥‥スマン、スマン。実は10年に1回の『定期巡回』なんだよ、今回の『転勤』は。政府からの『特別委託』でね。妖怪(かれら)が、チャンと品行方正に暮らしているのかを、チェックしているんだ」 妖怪に『品行方正』もあるのかどうか知らないけど‥‥そうか、政府の『お墨付き』なんだ。この村の事は。 「‥‥今日は村長のところへ、ご挨拶に伺っててね」 村長? ああ、さっき聞いたっけ。 「村長って、校長もしている『九尾の狐』だよね? さっきそう聞いたけど」 「お? 詳しいな。その通りだ。我々の『家系』とは古い付き合いでな‥‥」 お父さんはそう言いながら、神棚に水をあげていた。 「ま‥‥彼らの事は村長がキチンと眼を配っててくれてるし、仮に何かあったとしても‥‥」 神棚には大きな『紙人形』が3体、祀ってある。 「‥‥この、『式神』がお前を守ってくれるさ」 『その話』は昔から聞いてるけど‥‥ アテにならないんだよなぁ‥‥実際、使役しているところを見た事ないし。     
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