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「学校ってさぁ‥‥『プール』とかって無いの?」
ボクがそう尋ねると、猫娘が『やれやれ』と手を振ってみせた。
「あるワケ無いじゃーん。意味ないしィ」
『意味がない』‥‥そうか、例えば『カッパ』なら、いちいち練習しなくても最初から泳げるワケだしな。
「アタシだって『泳げない』んだしィ」
よく考えたら‥‥彼女は『猫』なんだ。だったら『金槌』でも当たり前だよな。
「そうなんだよね、塗り壁とかだと『沈む』し‥‥」
『重い』か‥‥仕方ないな、それは。
「百目もさぁ、水に入ると『全身が痛い』ってぇ言うしぃ」
そうだった‥‥彼は全身が『眼』なんだよな‥‥これも仕方無いか。
「‥‥僕も‥‥水は苦手‥‥いちど入ると‥‥乾くのに時間かかるし‥‥」
‥‥もうさ、一反木綿については存在意義を疑っていいレベルだと思うんだ。
「雪女もさぁー『水入るのヤダ』って言うんだよねぇ」
いや、そりゃ流石にそうだろう。溶けてしまうだろうし。
「『どうして』って聞いたらさぁー」
いや、聞くのかよ。
「『水で身体が膨れるから、太って見えるのがヤダ』って」
そっちかーい!
何処まで美容を気にするんだ? あの『美白妖怪』はっ!
何だか頭が痛くなってきた気がする。‥‥慣れたケド。
その時だった。
「おーい、おーい」
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