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或いは事実とは、知らなくて良いことも有るのかも知れない
ボクを取り囲んだ輪の外に、ボクが最も『気になる』妖怪?が居たんだ。
チラチラと、そっちを伺っていると‥‥
「ん? カカカ!『アイツ』か? 変わってるだろ?! あの『薄っぺらい』のは『一反木綿』だよ!」
楽しそうに笑いながら、油すまし君が教えてくれた。
なるほど‥‥一反木綿か。ま、そりゃ‥‥『薄い』だろうな。どう見ても『布1枚分』ほどの厚みしかない。
というか。
確かに『薄い』っていうのは一反木綿としてのアイデンティティではあるだろうけど、それだけじゃなくって。
「アイツさー、暗いんだよねー?『陰キャ』っていうの?何かこう『陰も薄い』モンだから、居るのか居ないのか分かんなくてさー!」
猫娘が、ヒヒヒ!と笑った。
その間も、一反木綿は『何か言いたそうな顔』はしてるものの、何も言わずに黙ってこっちを見ていた。
うーん‥‥そうなんだよな、何というか存在感まで『薄い』って言うか。
しかしながら、だ。
自分も前の学校に居た時には『皆と一緒に遊ぶ』というよりも、どっちかというと一人で本なんかを読んでたタイプだし。
何かこう‥‥ある意味、親近感があるというか。
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