メガネ

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 登が再び深々と頭を下げた。 「実は、もう一つ、ご報告することがありまして・・・・」  登がちょっと口籠った。 「実は・・・・、優香さんのお腹には、僕たちの赤ちゃんが」 (!!! なんやとお!)  絶句する舜。             幸せそうにほほ笑む優香。にっこりと片笑窪の真奈美。ニヤニヤ笑いの優斗。     (お前たち、知っとったなあ!) *バター顔・・・・鼻筋が通った西洋風の顔だちを『バター顔』、和風の顔だちを『しょうゆ顔』と言った。  まったく、こんなのありかよ。家族ぐるみで僕をだまくらかしやがって。登の奴は、それからもずっと好青年を演じ続けている。疲れないのかね。真奈美は、嬉々として、優香の結婚準備に走り回ってるし、優斗の奴は、「俺だったら、子供が生まれた後に、披露宴やるよ」なんて不埒(ふらち)なことを言っている。「慎みが無い」と僕が怒ると、真奈美はガラパゴスだと貶(けな)すのだ。                       色眼鏡 かけて娘の 彼を待つ 《選評》  カレシも色眼鏡かけて来るらしいですぜ。
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