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【メガネ】
① 物を見て、その善悪・可否を考え定めること。鑑識。めきき。
② 遠視・近視・乱視・老眼などの不完全な視力を調整し、または光線が強く入るのを防ぐため目にかける凹または凸レンズ、あるいは単なる色ガラスの器具。
③ 遠眼鏡(とおめがね)のこと。
④ 江戸時代、女の髪の結い方の一。眼鏡のように左右に輪を作ったもの。
【眼鏡猿】【眼鏡違い】【眼鏡橋】眼鏡が狂う。眼鏡にかなう。
以上、広辞苑より。
さて、どうする?江戸時代の髪型なんて、だあれも知らんやろうなあ。僕も知らんかったばい。遠眼鏡しかり。やっぱり、メガネはメガネやね。
「お父さん、何(な)んか、落ち着きが無(な)かよ」
何度目かに、ハーッと遠近両用眼鏡に息を吹きかけた舜に、優斗が言った。
「しぇからしか!」
今年の山笠で若手頭に任命されて以来、いちいち強気な態度が生意気だ。優斗の若手頭としての仕事ぶりは中々立派なもので、舜も鼻が高かった。追山終了後の直会での挨拶で、感極(きわ)まって泣き出したのも良かった。このまま頑張って、できれば赤手拭に成って欲しい、と舜は思う。自分が成しえなかったことだ。
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