肉まん

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夕暮れ時 俺は友人と学校でだべっていた。 「そろそろ時間だな」「帰るか」 といつもどうりの時間で解散する。 今日は一週間に一度の特別な日 お小遣い日である。 本当は月に一度3000円貰うのだが いっぺんに使ってしまうため週の初めの月曜日に 1000円ずつ貰うことにしている。 そして今日は月曜日、財布に1000円札を入れて 家を出てきた。 お腹が「はらへった」と言わんばかりの声でないた。 「今日はコンビニに行くか…」 学校の近くのコンビニに入った。 一通り物色してからレジの前に来た。 「あっ…」 俺の目線の先には、蒸気によって曇ったショーケースに肉まんが鎮座していた。 「よし、これを買おう」 レジの店員さんに、指をさし「これをひとつ下さい」と言うと店員さんは慣れた手さばきで肉まんを包装していく。 会計をし終え外へ出た。 少し肌寒いが、肉まんが温めてくれる。 半分に割り、見せびらかすように湯気をたたせる。 中には豚肉とたけのこが仲睦まじく寄り添いあっていた。 冷めてしまう前に口へと頬張る。 とても美味しい。俺は食レポアナウンサーでは無いので簡単な感想しか言えない。むしろそれでいいのかもしれない。 食べ終えて、カバンからメモ帳を取り出し、 「〇〇コンビニ 肉まん ×××円」と書く。 俺の秘密のメモだ。 少し寂しい気持ちになったがそれ以上に幸せな気持ちになった。 「また来よう。その時はまた別の種類を食べるのもありだな。」 そして、その気持ちを噛み締め俺は家に帰った。
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