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ラブレター
あなたのことが好きです。
下駄箱に入っていた手紙にはたった一言、それしか書かれていなかった。真っ白な便箋に真っ白な封筒。封筒の封は留められておらず、差出人は書かれていない。罫線の引かれた飾り気のない便箋の中心に書かれたその言葉に、私の胸は高鳴った。17年間生きてきて、ラブレターを貰ったのは生まれて初めてだった。
差出人の書かれていないその手紙を見て、誰かの悪戯かもしれないとも思った。下駄箱には鍵がかかっていないので、誰でも自由に開け閉めすることができたし、付き合って下さいとか校舎裏で待ってますだとかそんな文言も書かれていなかったから。手紙の差出人はこの手紙を読む私を見て、陰で笑っているのかもしれない、と。しかし、手紙を開いたその場で昇降口を見回してみたものの、人の気配はなかった。なにより、黒のボールペンで丁寧に書かれたその字が、嘘ではないことを告げているように思えた。
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