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「グリンー……ほんっとーにゴメルンねー……?」
目の前のテーブルには、昼食にしては豪華な食事が並べられています。
その食事を挟んで向かいに座ったグリンに、私はさっきから平謝りをしていました。
咄嗟とは言え、思わず投げつけたジョッキが彼の顔面に命中して、彼はさっきまで鼻血を出して目を回していたんですから……。
「もういいよ。僕も悪かったしね」
そんな私に、グリンは優しく微笑んで許してくれました。
元々気が弱い彼は、そのまま優しく争い事を好まない性格をしていて、少なくない私の我が儘や理不尽もこうして許してくれるんです。
「……うん……ありがと……」
でも流石に今回は、彼の顔に出来た傷を見る度に罪悪感が湧いてきます。
「ほらほら、それよりも料理が覚めちゃうよ? 午後からも確り働いてもらうんだから、早く食べちゃおうよ」
気を落とす私を元気づける様に、彼は殊の外明るく振る舞って料理に手を付けました。
私もそれに釣られる様に、目の前にあるサラダを取り分けて口に運びました。
―――美味しいっ!
いつもの事ながら、グリンの料理はとっても美味しいのです!
このサラダにしても旬の野菜をバランスよく盛り付け、そこに付け合わされているドレッシングが野菜本来の旨味を最大限に活かしていたのです!
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