レベル2 ラビリンスにて

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「……やっぱり“希少種”の出現を待つしかないわねー……」  私は小さく溜息を吐いてそう呟きました。  同じ「針ヤマネコ」であっても、その種類は大きく二種に分けられます。  今まで倒して来た針ヤマネコは、普通に出現が確認されている所謂「ノーマルタイプ」。  そして時折出現する、「希少種」と呼ばれるレアな種類が各怪物にはそれぞれ確認されていました。  恐らく目的の「銀髭」は、その希少種(レア)がドロップする物ではないかと考えたのでした。  でもその「希少種」は、そう言われている通り出会いたくて出会える様な代物ではないのです。  このラビリンスでは決して怪物が居なくなる事は無く、1匹倒せばどこかで1匹誕生する事を繰り返しています。  その過程で時折「希少種」が出現するのですが……。  つまり出現するまで怪物を倒し続けなければならないって事なのよねー……。 「……ごめんねー……メル……。こんな面倒事に付き合わせちゃってさ……」  私のついた溜息に何かを感じ取ったのか、グリンが申し訳なさそうにそう言いました。 「なーに言ってんのよっ! これも任務の内なんだから気にしなくて良いよー!」  私はそう明るく言い放って、彼の背中に平手打ちをしました。 「ゴホッ、ゴホッ! メル、痛いって」  咳き込んで抗議の言葉を溢した彼だけど、その表情はさっきよりも明るくなってました。
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