希少種出現

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「……もう、終わったかい……?」  恐々と近づいて来たグリンに、私は笑顔を向けて頷きました。 「ええ、何とかね。……ありがとう、グリン。あんたの干し肉のお蔭で助かっちゃった」  その言葉に、グリンは笑顔で首を振って答えました。  それは自分の力ではないという謙虚な彼の答えだったんだけど、今この場でどちらが貢献したかと競い合っている場合ではありません。  さっき発していた針ヤマネコの声を聞きつけて、他のモンスターが近づいて来ていると考えられたからです。 「それよりもグリン。早くこいつの体を調べて」 「あ……ああ、そうだったね」  私が少し焦った声で言ったのが伝わったのか、グリンも頷いて早速作業に入りました。 「……これ……かな……? あった、あったよ。多分これが銀髭だ」  僅かに調べただけで、グリンは目的の銀髭を採取した様でした。  その他にも希少種の肉や毛皮を採れるだけ採って、私達はその場から立ち去ったのでした。
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