迷宮の出現する大陸

4/6
108人が本棚に入れています
本棚に追加
/193ページ
 モンスター達は未だに多くラビリンスの中で存在し、虎視眈々と地上へ侵出する機会を窺っていると考えられたのです。  そこで王様は、その「タレンド」を保有する者達だけで編成したラビリンス攻略部隊を騎士軍とは別に組織して、ラビリンスへと突入させ怪物たちの駆逐を命じたのでした。  幸いにも……と言って良いのでしょう、中の怪物たちは一部を除いて、能力を保有する者達……タレンドキャリアーの手に余る様な物は居ませんでした。  次々と出現する怪物達を倒しつつ、能力を保有する者達(タレンドキャリアー)は最深部を目指して突き進みました。  想像に反してその地下迷宮(ラビリンス)は、複雑ではあっても深い階層を形成しておらず、程なくして彼等は目的の最深部へと辿り着いたのでした。  ―――そこで彼等「タレンドキャリアー」を待っていたのは、全身に青白い光を纏う巨大熊の様な怪物でした。  持てる力を全て使い、タレンドキャリアー達はその怪物と戦いました。  しかし、ラビリンスのボスであろうその怪物は強い力と強靭な肉体を持ち、恐ろしい程素早く動いたと言います。  人の力を大きく超える能力を持つ彼等と言えども、簡単にその怪物を倒す事は出来ませんでした。  長い戦いの末に、幾人もの仲間が力尽きながらも、何とか彼等は怪物を倒す事に成功しました。  そして激戦を終えた彼等は、そこに置いてあった不思議な煌きを放つ水晶に気付いたのでした。  美しいながらも不気味な雰囲気を持つその水晶は、そこにいた戦士達によって直ちに破壊されました。  すると不思議な事に、ラビリンスに出現する怪物の数が激減したのです。  それを以て地下迷宮の攻略を完了したと確信した戦士達は、漸く家族達の待つ地上へと引き返したのでした。  地上に戻ったタレンドキャリアー達は歓喜の声援を以て迎えられ、王城にて王様に労いの言葉と多くの報酬を与えられました。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!