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「……まぁまぁ、メル。彼女も随分と怯えてるし、こんなんじゃ会話も碌に出来ないよ。食事を摂りながら話をしよう。……えーっと……君……シャルルマンテさんだっけ? 君も良ければ一緒に食べないかい?」
私の肩に手を置いて、グリンはそう言って仲裁に入ってきました。
もっとも、私も本気で怒っていた訳では無く、ただ単に彼女の立場を弁えない物言いに少しイラついただけ。
すぐに弓矢を下ろして敵意が無い事を示してあげました。
「……えっ!? 良いのですかっ!? ……じゃなくって……そこまで言うのならば仕方ありませんね。今回は私と共に食す事を許して差し上げます」
……うん、何だか分からないけど、多分あれは演じている結果なのね。
何故彼女が高慢で偉そうな物言いをするのか知らないけれど、普通にしていれば恐らく良い娘なんじゃないかな?
それに魔女だと言っていたけれど今の段階で魔法を使う事は無い様だし、とりあえず食事を摂る間は問題なさそうだと私も思いました。
グリンはやっぱり苦笑して彼女を焚火の傍まで案内し、私達はグリンが作った美味しい料理を堪能しました。
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