シャルルマンテ=ウェネーフィカ

4/7
前へ
/193ページ
次へ
 ―――そして現在。  グリンが文句を言わない事を良い事に、シャルルマンテは相変わらず高飛車な言葉を発しながらも、食後の団欒に参加していました。  それにしても、焚火の元で見る彼女は……油断出来ないわね……。  私達の前へと姿を現した時と違い彼女は今、漆黒のマントと三角帽子を取って倒木に腰を掛けています。  私から見ても愛らしいと思える顔立ちに、青く綺麗な長い髪が緩くウェーブしながら腰まで届いています。  着ている服はマントと同じ色のローブ……かしら?   見た事も無い艶を放つローブは、体の前側が大きくはだけて彼女の豊満な胸が今にも零れ落ちそう。  あの大きさ……私よりも大きいわね……。  地面に付く程長いローブだけど、腰まで届きそうなスリットが入っていて彼女の太腿も露わになっていました。  シャルルマンテは気付いてないけど、さっきからグリンが目のやり場に困ってソワソワしてるし……。 「……ねぇ、そろそろあんたの事、色々と聞きたいんだけど?」  それは兎も角、見ず知らずの魔女らしき(・・・)少女を食事に招待しただけで、そのままさよならするなんて考え、私には毛頭ありませんでした。 「……な……何かしら……?」  心持ち私から離れて (つまりグリンに近づいて)、彼女はやや怯えながらそう言いました。  確かに弓矢で脅したのは私だし、それで怯えるのも分からなくはないけど、だからってちょっと露骨な対応じゃない?   どうにもシャルルマンテにとって私は警戒すべき敵……とまではいかなくとも、相容れない仲と言った所みたいね。  そしてグリンは、私に襲われない為の魔除けみたいな存在なのかしら?
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

109人が本棚に入れています
本棚に追加