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「あんた……本当に魔女なのよね……?」
未だにこの部分を確認していないと言うのは何とも間抜けな話だけど、折角グリンの作ってくれた料理を頂いてる時に、流石の私も無粋な真似はする気になれなかったんだからしょうがないわ。
「そ……そうですわっ! わ……私こそはこの森に住まう伝説の魔女なのですからっ! さっきもそう言ったでしょうっ!? ほ……本当なんですからねっ!」
どうにもこの言い方が疑わしいわ……。
何か必死に虚勢を張ってる様にしか私には視えないんだけど……。
そう考えた私は、グリンに視線を送って審議の判断を任せました。
私がこのまま問い詰めたって、きっとこの娘は同じ答えしか返さないに違いないからです。
「……それじゃあ、シャルルマンテさん。貴女はこの場所まで何をしに来たんですか? まさか本当に、僕達を追い返しに来たって訳じゃないでしょう?」
シャルルマンテが私達の前に姿を現した時、彼女は確かにこの森から出て行くように言ったわ。
でもどう考えても、あのセリフはあの場で咄嗟に出たとしか思えませんでした。
もしそうなら、彼女には何か別の目的がある筈なのです。
それを肯定する様にシャルルマンテは小さく、でも間違いなくハッキリと頷いたのでした。
まったく、私の時はこんなにしおらしくないって言うのに、グリンの前だとこうなんだから……。
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