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「……それじゃあ偶然? それにしてはこの場所で伝説の魔女と顔を合わせるって言うのは出来過ぎだよね? 本来なら有り得ない筈だよ?」
もしも偶然……たまたまシャルルマンテが森の中を彷徨っていた時に私達の事を気付いたとしても、自分の存在を気付かれる様な距離まで近づいて来る訳がありません。
それ程警戒心も薄く秘匿が重要じゃない存在なら、もうとっくにバレていてもおかしくない筈だもの。
“この森”の“この場所”で野宿をする狩人は、この数百年に一体何人何十人何百人いた事かしら。
その人達に全く気付かれないなんて、それこそ有り得ない話だわ。
何も答えずにずっと俯いていたシャルルマンテは、顔を上げる事も無くスッと右手を持ち上げて、グリンの脇に置いてある荷物袋を指差しました。
「……その袋の中……」
そして彼女は、小さくゆっくりと話し出しました。
垂れ落ちている前髪でその表情は分からないけど、その言葉は怯えている様であり、照れている様でもありました。
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