シャルルマンテ=ウェネーフィカ

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「……あなた達が森に入った時から、その中に入っている物から強い“力”を感じるって……。あなた達に近づいて、私もその“力”を感じる事が出来たのです……。だから……」 「……だから僕達を遠巻きに観察していたんだね?」  シャルルマンテの話を引き継いだグリンの言葉に、彼女は小さく頷きました。  彼の袋に入っている“力”を感じる物と言えば……あの黒い飲み物以外考えつかないわね……。  それを私達が森に踏み入った時から察知していたなんて、流石はこの森に棲む魔女と言った所かしら?   でも、それだけで彼女が「本物の魔女」だと断定する事は出来ません。 「ところでシャルマ……シャルルマンテ、あんた……」  頭の中では(つまづ)く事も無く言える彼女の名前も、口に出して言うとなると早口言葉みたいで言い難いわね。 「……シャル……」 「……え……?」  そんな私を察したのか、彼女が私の話を遮って何事かを呟きました。 「シャルで良いですわ。そう呼ばれていますし、その方があなたも言い易いでしょう?」
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