109人が本棚に入れています
本棚に追加
「……あなた達が森に入った時から、その中に入っている物から強い“力”を感じるって……。あなた達に近づいて、私もその“力”を感じる事が出来たのです……。だから……」
「……だから僕達を遠巻きに観察していたんだね?」
シャルルマンテの話を引き継いだグリンの言葉に、彼女は小さく頷きました。
彼の袋に入っている“力”を感じる物と言えば……あの黒い飲み物以外考えつかないわね……。
それを私達が森に踏み入った時から察知していたなんて、流石はこの森に棲む魔女と言った所かしら?
でも、それだけで彼女が「本物の魔女」だと断定する事は出来ません。
「ところでシャルマ……シャルルマンテ、あんた……」
頭の中では躓く事も無く言える彼女の名前も、口に出して言うとなると早口言葉みたいで言い難いわね。
「……シャル……」
「……え……?」
そんな私を察したのか、彼女が私の話を遮って何事かを呟きました。
「シャルで良いですわ。そう呼ばれていますし、その方があなたも言い易いでしょう?」
最初のコメントを投稿しよう!