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「グ……グリンがいきなり声を掛けるからでしょっ! バカーッ!」
「えっ!? ぼ……僕のせいっ!?」
私の剣幕に、グリンはたじろいで私にそう問い返しました。
そんな事を聞くまでも無く、どう考えても今のは私のうっかりミスなんだけど、押しに弱いグリンはすぐに白旗を上げて守勢になるのです。
「え……と……い……今のは私のせいでもあるんだけど……」
そんな性格から、いつも損な役回りばかりして来た彼を知っているだけに、それ以上追い込む事は私には出来ません。
それに実際、さっきのは私がウッカリしていたのに間違いはないんだから……。
この店のコスチュームが丈の短いメイド服なのは昨日今日知った訳じゃなかったんだしね……。
「じゃあ、もう良いや。それよりもそこが片付いたら僕達も昼食にしよう」
理不尽に責められた事などすでに忘れて、グリンは私にそう声を掛けました。
「うんっ! すぐに片付けるからねっ!」
私も気分を切り替えてグリンにそう答えて、散らかしてしまった床の食器をすぐに拾い集めようとしました。
―――その場にしゃがみこんで!
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