青い瞳の彼女

3/10

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
僕は、高校がある時は帰りに神社に立ち寄り、高校が休みの日は自宅から神社に行って猫の世話をした。 こんな毎日が1ヶ月程続いた6月のある日、高校からの帰りにいつものように神社に立ち寄ると、段ボール箱の中にいた猫がいなくなっていた。 神社の境内の中を探し回ってみたが、猫の姿は見つからなかった。 翌日も高校からの帰りに神社に立ち寄ってみたが、やはり猫の姿は見つからなかった。 僕は猫の事が気になったけれど、きっと成長してどこかに行ったのだろうと考えていた。 それから1ヶ月程して猫のことを忘れかけていた7月のある日、高校の僕のクラスに転校生が加わることになった。 その転校生は、色白で西洋系の外国人のような、美人系の顔立ちをしている女子だった。 転校生の名前は『神崎 美月』と紹介された。 転校生の席は、クラスの一番後ろの僕の隣の席になったが、僕は少し緊張して、なかなか話しかけることができなかった。 休み時間になると、神崎さんが僕に話しかけてきた。 「お名前は?」 「松永」 「下の名前は?」 「大輝だよ!」 僕が聞かれたことに素直に答えると、神崎さんはにこっと笑って、 「じゃあ、大ちゃんね!」 と言ってきた。 神崎さんは、笑顔になるとかわいらしい感じになり、僕はダメとは言えない不思議な雰囲気に飲み込まれていた。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加