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僕は、高校がある時は帰りに神社に立ち寄り、高校が休みの日は自宅から神社に行って猫の世話をした。
こんな毎日が1ヶ月程続いた6月のある日、高校からの帰りにいつものように神社に立ち寄ると、段ボール箱の中にいた猫がいなくなっていた。
神社の境内の中を探し回ってみたが、猫の姿は見つからなかった。
翌日も高校からの帰りに神社に立ち寄ってみたが、やはり猫の姿は見つからなかった。
僕は猫の事が気になったけれど、きっと成長してどこかに行ったのだろうと考えていた。
それから1ヶ月程して猫のことを忘れかけていた7月のある日、高校の僕のクラスに転校生が加わることになった。
その転校生は、色白で西洋系の外国人のような、美人系の顔立ちをしている女子だった。
転校生の名前は『神崎 美月』と紹介された。
転校生の席は、クラスの一番後ろの僕の隣の席になったが、僕は少し緊張して、なかなか話しかけることができなかった。
休み時間になると、神崎さんが僕に話しかけてきた。
「お名前は?」
「松永」
「下の名前は?」
「大輝だよ!」
僕が聞かれたことに素直に答えると、神崎さんはにこっと笑って、
「じゃあ、大ちゃんね!」
と言ってきた。
神崎さんは、笑顔になるとかわいらしい感じになり、僕はダメとは言えない不思議な雰囲気に飲み込まれていた。
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