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授業が終わって帰ろうとすると、神崎さんが笑顔で話しかけてきた。
「大ちゃん、一緒に帰りましょう!」
女子と一緒に帰るなんて小学校以来だと思いながら、断る理由も見つからなかった僕は、
「一緒に帰ってもいいけど、僕はいつも拓海と帰ってるんだ!」
と言うと、拓海が僕に気を利かせたのか、
「大輝、俺今日は用事があるから一緒に帰れないよ!」
と言ってきた。
僕があっけにとられていると、
「じゃぁ、帰ろ!」
と神崎さんが言ってきた。
神崎さんと一緒に歩きながら僕はとても緊張していて、何を話したらいいのかわからなかった。
すると神崎さんが、
「ちょっとお茶しよう!」
と誘ってきた。
コーヒーショップに入って、神崎さんと僕はアイスカフェラテを注文して席に着いた。
席は2人掛けの席で、その時僕は、対面に座る神崎さんの顔を正面からまじまじと見ることになった。
神崎さんは、やはり美しい顔立ちの女子で、こんな女子がなぜ僕なんかと一緒に帰ろうと言ったのか、まったく理解できなかった。
僕は、クラスではどちらかというと目立たない存在で、決してかっこよくもない。
でも、そんなことは気にしないと言わんばかりに、神崎さんは僕に笑顔で楽しそうにいろいろと話しかけてくれた。
口下手な僕にとっては、話をしてくれる神崎さんは、とても気が休まる存在だった。
神崎さんが僕に、
「私の事は『美月』って呼び捨てにしてね!」
と言ってきた。
神崎さんは僕の目をまっすぐに見据えて話をするが、神崎さんは青くきれいで透き通った瞳をしていた。
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