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翌日、いつものように高校に行くと、美月がいたはずの机は空席になっていて、だれも美月のことを話題にする友達はいなかった。
まるで美月は存在していなかったかのような雰囲気だった。
高校の授業が終わると、拓海が声をかけてきた。
「大輝、帰るぞ!」
拓海は、いつもと変わらないような雰囲気で声をかけてきた。
帰り道、僕は拓海に聞いてみた。
「神崎さんが交通事故に遭ったこと知ってる?」
すると拓海は不思議そうな顔をして、
「神崎って誰?」
と言ってきた。
僕は、とても不思議な感覚を覚えたが、
「ううん、何でもない。」
と言ってその場をごまかした。
僕は、今まで美月と過ごした日々は、夢だったのかと感じていた。
でも、信じられなかった。
僕は、美月と手を繋いだ時のぬくもりを思い出していた。
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