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過去 ~瑠璃編~
あの日は普通の日だった。
普通に日が差し、話し、歩き、誰もが笑顔で、その光景が眩しくて。
戻ってこない、そんな日々を、毎日毎日思い出す。
「るーりーちゃんっ」
私に背を向けながら、前を歩く女の子に思わず声をかける。すると女の子は、私の声に気づくいなや表情を和らげ、頬をピンク色に染めながら、
「...なぁーに?」
と首を傾げて、くすくすと笑う。
それが日常だった。
こうやって声をかけあって、毎日が楽しくって。時にはおしゃれのお話をしたり、お遊びのお話をしたり、...好きな人のお話をしたり。
やっぱり1番の友達はルナちゃんだった。
一緒に笑った人も、話した人も、好きだった人も、ルナちゃんしかいなかったんだ。
そんな簡単な事に気づいたのは、やっぱり彼女と離れ離れになった時であった。
だが、その別れの時は着々と近づいていた。
あの日は今でも覚えてるよ。
7.15
普段通り、小ちゃい幼稚園バッグを背負って幼稚園に行く日だった。
家から5分程で見えてくるコンビニ前で、ルナちゃんといつも待ち合わせしていたんだ。
いつもと変わって目立つ所は無く、違和感も何も感じていなかった。きっと誰もがそうだった。
なので私も普段通りに、
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