『悪』の名のもとに

誕生編

我輩は悪の帝王である。
このたび、我輩は悪の帝王の名にふさわしく、いわゆる秘密結社というヤツを作り上げた。

悪らしく、目標は世界征服である。

まずは悪の第一歩だ。
我輩は暗黒魔術により新たな怪人を生み出した。

「ココはドコだ？ ワタシはダレだ？」
生み出されたばかりの怪人クモ男が周囲を見回しながら言う。
少し態度がふてぶてしいが、悪の秘密結社としては、まぁ、それも見どころがあるというものだ。

「貴様は怪人クモ男。これから我輩達の同胞として、悪の名のもと、世界を悪に染め上げるのだ」

「ナンだと？ 悪に染め上げる？ それは面白そうだ」

「そうであろう。では、手始めに……」
我輩は叩き潰すべき正義を考える。

街を守る警察官。
……は、色々、不祥事があったな……。
夢と希望をくれるスポーツ。
……は、一部だが、何かとガバナンスが問題になってるな……。
未来を担う子供たち。
……は、虐待とか連れ去りのニュース見ちゃうと萎えちゃうなぁ……。
政府とかは？
……まぁ、ノーコメントだなァ……。
あとは……、

「ドウした？ 正義はどこにある？ 早く教えろ」

「……ゴメン。なかなか思いつかない……」