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「おお、ニオーゾーよ。いいところに来たッ。オマエに頼みがある」
「え? お金は貸さないっすよ」
「違うッ。いいから、すぐこちらへ参れッ」
「え? なんです?」
そんな具合でのこのこおびき寄せられ、……もとい、忠実なるニオーゾーを、我輩は今まで自分の立っていた場所に、代わって立たせた。
「ちょ、帝王様?」
困惑するニオーゾーを放置して、我輩はヒーローの側に回る。
「どれ、我輩が加勢してやろう」
と、我輩は最終兵器を一緒に持ってやった。
「おお、これはすまん。これで引き金が引けるわい」
文字通り肩の荷が下りたレッドが言う。
そう。近づいた今、おそらく近眼のレッドは我輩を通りすがりの親切な人としか思っておらんことだろう。
「なぁに、例には及ばんさ」
と、我輩はニオーゾーを見る。
「……と、いうわけだ。大人しく撃たれよ。ニオーゾー」
「どういうワケですッ。意味がわからないッ。つうか、そんなん撃たれたら死んじゃいますよッ」
「大丈夫だ。すぐに復活させてやる」
「ヤですよッ。復活って、あの巨大化させるやつでしょ。まともに生活できなくなるッ」
「大丈夫。オマエは仏像のような見た目の仏像怪人。もとよりまともな生活などできん」
「酷いッ」
「それに、巨大化したら、めでたく大仏になれる」
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