宿敵編 2

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宿敵編 2

我輩、悪の帝王は困っていた。 大いに困っていた。 場所は近所のスーパーマーケットの駐車場。 目の前には2人のヒーロー。 それが最終兵器らしきギラギラしたキャノン砲を我輩に向けて構えている。 レッドがあの引き金を引けば、とてつもないパワーが我輩に向けて発射されるだろうことは容易に予想できる。 そう。引き金が引かれれば、……だ。 ヒーローの推定年齢はどちらも90オーバー。 ……お爺ちゃん達。最終兵器を持ってるだけで精いっぱいすぎる……。 「さあッ、くッ。覚ッ悟ッしいいぃぃッろうッ。」 骨と皮だけの細腕で、足をプルプルさせながら最終兵器を構えるレッド。 それを背後から支える、というか既に半分下敷き状態のイエロー。 「やめなさいッ。もう死んじゃうからッ」 我輩は叫ぶ。 けっこうな近距離。 でも、 「……あんだって? もっと大きな声でいってくれッ……」 難聴のお爺ちゃんには届かない。 ……どうしよう……? と、いうことで我輩は困っていたのである。 その時だった。 「あれ? 帝王様も買いものですか?」 ふと、聞き覚えのある声。 振り返れば、たまたま買い物に来たのであろう。怪人ニオーゾーがいるではないか。     
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