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それから二学期、三学期と、本当に私は、ただ先生を見ることしかできなかった。
卒業式の時は、本当に気持ちを伝えるべきか迷ったが、伝えても迷惑だろうと思ったり、伝えたところで良い方に展開するとは、どうしても思えなかった。なにより伝えて引かれることが怖かった。
ただ、もうこれが自然に接近できる最後だと思うと、勇気が出た。
といっても、卒業アルバムの最後にある寄せ書きに一言書いてもらおうと動いただけだ。
生徒に好かれていた先生の周りには、私と同じように一言書いてもらおうとする生徒がたくさんいたので私も躊躇することなくその中のひとりになることができた。
先生が私に書いてくれた一言は、よくある「これからもがんばれ!」というものだった。短い。内心私は、がっかりしたけれど、妙に吹っ切れた気持ちにもなった。
ひっそりと好きになって誰にも知らせることなくひっそりと私の片思いは終わった。
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