ひみつの片思い

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ひみつの片思い

 茜ちゃんがまたうちのクラスにきた。  茜ちゃんは、今は隣のクラスだけど、去年は一緒のクラスで私たちは仲良しだった。  クラスが別々になっても茜ちゃんがうちに来る理由は、藤原大翔が好きだからだ。 「ねえ、こっちばかり来ていると、同じクラスのグループからハブられない?」  と、私は、心配なのだが茜ちゃんは、けろっとしている。 「一緒のグループの子たちは、理由もわかっているから平気だよ」  茜ちゃんは、私にそう答えながら藤原に手を振る。藤原は、そんな茜ちゃんに怪訝な表情をしているが決して嫌がってはいない。ぶっきらぼうだが手を振り返す。茜ちゃんは、小柄でかわいいし、案外男子に人気がある。そんな茜ちゃんに好意を寄せられて嫌な気はしないだろう。 「ねえ、真奈美は、好きな子いないの?」  突然、茜ちゃんにそう訊かれ、私は、むせそうになった。 「いない、いない。いたら私も言うよ」  私は、そう答えるが嘘だ。  私は、今、ものすごく好きな相手がいる。  言えないのは、それが先生だから。  うまく説明できないが、これは絶対にばれてはならないと強く思う。     
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