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「お兄ちゃん、この人と一緒に住むの?」
「....」
悠は、焔が怖いのか、俺の服をぎゅっと握って、俺を見ている
俺もいきなりのことで思考が追い付いてない
だが、俺が親父の跡をつけば、悠を....妹を養える
俺にはもう妹しか残されていないんだ
悠を失いたくはない
だから、俺の答えは....もう決まっていた
「....右も左もわからない未熟者だが、これから仕事のサポートを頼む。よろしくな、焔。それと、俺の事は永遠でいい」
「はい、よろしくお願いします。永遠様」
「悠。焔はお前と同じ女だから大丈夫だ、怖くない。な、焔そうだろ?」
「はい、その通りです。....悠様、これから何でも私に言ってください。出来る限りのことは叶えるようにしますので」
焔はそういうと、悠の前に脆(ひざまづ)いた
「急に私を信用するなんて無理な話です。
だから、少しずつ絆を深めていきましょう」
「う、うん....わかった」
焔は悠に微笑みながら、そういった
だけど俺には焔が本当に笑っているようには見えなかった
それはまるで“作られたような笑顔”
承諾したものの、俺は焔に不信感を抱いていた
それは当然だ
俺は親父から焔の存在について一度も聞いたことがなかったからだ
だからこそ俺は、親父が焔の存在を隠す理由が知りたかった
それは、これから一緒に住んでいくうちにわかるだろう。
こうして、俺と妹と専属秘書の焔、三人の共同生活が始まった
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