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武井と自称ゴーストバスターの再会は、思いの外早いものとなった。
というのも駅前に戻ってしばらくの後、日暮れも近くなろうという頃合いに、武井の携帯電話が震えた。
自称ゴーストバスターに応えるかたちで再び海岸沿いへ向かい、拾う。
「収穫はありましたか?」
と武井が聞くと
「ぼちぼちって感じですねえ」
と答えた。
新幹線に乗るまでしばらく時間があるという旨を聞き、武井はゆっくりと車を出した。周囲には何もない。元々見るものなんてなかったし、武井にとって大切なのは人との会話と、すぐそこにあった海だった。
「じゃあ、どうもねー武井さん」
駅前に着くと、自称ゴーストバスターはそう言って去っていった。
やっぱり名刺はもらえなかった。
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