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ベッドの上には巨大なくまのぬいぐるみ。
その横に腰掛けると、その高さはほとんど自分と変わらない。同じ目線にある丸い目を見ていると、何故か笑みがこぼれた。
「鈴、ぬいぐるみ好きかな……」
彼女がぬいぐるみを抱いているイメージを浮かべようとするけど、なかなか浮かんでこない。
愛ほどではないにしろ、鈴もどちらかというと、女の子らしいというよりもあっさり、さっぱりとした性格だ。持っている私物も、かわいらしい物よりもシンプルなデザインの方が多い。
「おまえ、居場所ないかもね」
ポンさんをツンとつつくと、そのまま仰向けに寝転んだ。
涼介さんの言葉を思い出す。
『自分の弱さを人に見せられない弱さ』
「まったく……本当にそうだ」
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