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涼介さんは、オレの顔を何かを思うように見つめたかと思うと、おもむろにペンを執った。
『とーる、なんかあった?』
「? どうして?」
『フンイキがかわった』
そう言われて、涼介さんをまじまじと見返した。
本当にこの人の炯眼ぶりには驚かされる。
雰囲気が変わったという言われ方はピンとこないけど、そう思われてもおかしくはない、という心当たりはある。
涼介さんがニッコリと笑う。
『カノジョとうまくいった?』
――この人、超能力者かも。
降参した気分で、鼻頭をポリポリと掻いた。
「んー、うまくいった、かどうかはわからないけど……うん、とりあえず、少しだけ」
我ながら微妙な答えだと思いながら笑う。
「……電話、してみたんだ」
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