第6話 虹

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 寂しい、と思ってはいけないのかもしれない。  道が違うのは当たり前のことで、それを認め合って励まし合ってこそ良い関係でいられるんだと、頭では理解している。  それでも、思わずにはいられない。 「……ずっと一緒の道を行けたらいいのにな」  鈴が顔を上げた。驚いた様子も見せず、ただ真っ直ぐにオレを見つめ返している。その視線を受け止めながら、オレは微笑った。 「――なんて、さ。こんなこと、言ってもしょうがないことだしね。さ、勉強勉強!」  感傷を振り払うようにノートに向う。  一緒の道を行きたい――それはただの我儘だ。鈴にそれを押しつけているわけではないけれど。  口に出したのは、そんな自分の気持ちを少しでも鈴に伝えたかったから。  ただそれだけだった。 「……透」    ポツリと名を呼ばれ、オレはノートから目を上げた。 「ん?」 「わたしも、透と一緒の道を行きたいって思ったよ。だから――聞いて、透」  鈴はオレの目を見つめたまま、真剣な顔で重ねて言った。 「わたし、透と一緒の大学受けるから」 「――え」
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