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涼介さんとの会話の手段であるホワイトボードは、コートの脇の荷物のところに置いてある。よりスムーズに話をするために、まずはそこへ移動した。
『スズちゃん、ソウゾウ以上にかわいい』
涼介さんが、鈴には見せないようにコッソリとオレにそう書いて見せた。オレはペンを借りてそれに返事を書く。
『でしょ? りょーすけさん、彼女に手出したら絶交だからね』
涼介さんがクックッと笑いを噛み殺している。
『えー、どうしようかな。かなり好みだしなー』
……え。
「な?! ちょ、ちょっと!」
『ジョーダン♪』
すかさずボードに書き足される。
う……完全にからかわれてる……。
「ねえ、さっきから何話してるの?」
鈴が所在なさげな表情で訊いてくる。オレは慌てて笑顔を作った。
「ごめんごめん! 何でもないよ」
涼介さんも苦笑しながら、ゴメン、と手を拝む形にして見せた。
「二人仲がいいんだね」
「うん」とそこは素直に頷くオレの横で、涼介さんも笑っている。
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