第6話 虹

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 涼介さんとの会話の手段であるホワイトボードは、コートの脇の荷物のところに置いてある。よりスムーズに話をするために、まずはそこへ移動した。 『スズちゃん、ソウゾウ以上にかわいい』  涼介さんが、鈴には見せないようにコッソリとオレにそう書いて見せた。オレはペンを借りてそれに返事を書く。 『でしょ? りょーすけさん、彼女に手出したら絶交だからね』  涼介さんがクックッと笑いを噛み殺している。   『えー、どうしようかな。かなり好みだしなー』  ……え。 「な?! ちょ、ちょっと!」 『ジョーダン♪』  すかさずボードに書き足される。  う……完全にからかわれてる……。   「ねえ、さっきから何話してるの?」  鈴が所在なさげな表情で訊いてくる。オレは慌てて笑顔を作った。 「ごめんごめん! 何でもないよ」  涼介さんも苦笑しながら、ゴメン、と手を拝む形にして見せた。 「二人仲がいいんだね」 「うん」とそこは素直に頷くオレの横で、涼介さんも笑っている。
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