5人が本棚に入れています
本棚に追加
Prologue:「死神」と『女王』
「なあ、奴等の事どうすんだよ…」
『Masterの指示を待ってる所だ』
「良いのかよ、家のシマで勝手な事させてさ…」
『まだ裏が取れていないし「Pawn」からの連絡もない』
「俺だったら、とっくに締めてるのになぁ」
『本当にお前は血の気が多いな、天狼…』
「そう言う蒼焔はどうなんだよ」
『あたしはMasterの指示がなきゃ動かないよ』
あたしは「蒼焔」。普段は『武器商人』として動いているが、
その正体は『Black Gemini』と言う組織のNo.2だ。
そして「ウルフ」と呼ばれている男は「天狼」と言い、
『Black Gemini』の情報網と呼ばれている。
あたし達がいるのはあたしの運転する黒いポルシェの中…
とある組織に属するチンピラの出入りする店の前で様子を窺っている。
家の組織の抱えている店から、奴等が嫌がらせをしていると連絡があったのは1週間前の事だ。
違法麻薬を使って店の女にちょっかいを出しているらしい。
「Pawn」と言う家の組織の部隊に調査をさせていたが、実態が掴めなかった。
しかし3日前に奴等は店の女に手を出し、喧嘩が起こったという。
『それにしても奴等は何処の組織のチンピラだよ…』
「見た感じだと組織の下っ端だな。鉄砲玉みたいだ」
『お前でも分かんないか。これが『Orange Taurus』の所だったら楽なんだが…』
「「Pawn」でも分からないって言うからな…
ちょっと待った、電話だ。ああ、そうだ。どうした?」
そう言うとウルフは電話に出る。相手は店のオーナーからだった。
最初のコメントを投稿しよう!