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「Queen様、奴等が来ました。多分狙いは家の「美鈴」かと…」
「美鈴が狙い?まあ確かにお前の所じゃNo.1だからな。引き抜きか?」
「それが…違うみたいなんですよ。奴等、いつもVIPルームを使うんですが
そこで薬を使ってる事がありまして…美鈴をこの店から誘拐しようとしてるんです」
「VIPルームを使ってるのか?モニターで確認してねぇのかよ…」
「確認はしています。この間もそれで注意をしたんですよ」
「それで逆切れして喧嘩か…Pawnはどうした?そっちに2~3人はいるようにしたぞ?」
「彼等には黒服で店にいてもらってますが、奴等、絶対に中に入れないんです」
ウルフとオーナーとのやり取りは、あたしも耳に着けたBluetoothで聞いている。
しかしこれでは何の解決にもならない。ずっと話を聞いていたが、埒が開かなくなってきた。
痺れを切らしたあたしは、話に割り込む。
『お疲れ。奴等は今どうしてる?』
「Bishop様も一緒でしたか。今、VIPルームに入りました。
今日も美鈴を指名してるんですが、美鈴は今日休みでして…本人から連絡がないままなんです」
『「Pawn」は何も言ってなかったのか?美鈴は訳あって今は別の店で保護してる』
「そうだったんですか。何も聞いてません。今はNo.2の「七海」が付いてます」
「七海でもあぶねぇな。ましてや薬を使われたら、何されるか分かんねぇぞ?」
『ちなみに薬の種類は分かるか?』
「昨日、床に粉の袋が落ちていました。まだこちらにあります」
『分かった。5分以内にそっちに行く。それまでは奴等を頼む』
「分かりました、Bishop様、Queen様。お願い致します」
そう言うと電話は切れた。あたしはため息をつく。
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