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~ギース・ロディ―ド・シュバルツの嫌いな人 ギースside~
俺、ギース・ロディ―ド・シュバルツが東の庭園に行くと、姉はお茶とお菓子と紙の束をテーブルに置き待っていた。
「ギース様、こちらに反省文と城下町で思ったことを書いてください。4000文字以上でお願いしますね。」
おずおずと紙の束を受け取る。そして、姉に向かい側に座るように促され、俺は夕方の風によって冷やされた椅子に座る。
「姉上は怒っていますか。」
「ええ。第一王子が人前で泣いたことと、責任のとれない行いをし、更に最愛なる国民を傷つけたことに私は、怒っていますよ。」
何を当たり前のことをというように、姉上は言った。でも、俺は姉の言っている意味が分からなかった。
「姉上??責任のとれない行動は理解できますが泣くことと国民を傷つけたって、どういうことですか?」
姉は、表情を変えずに、いった。
「私たち王族に生まれたものは、国を支え、国民の平和を一番に考えるとともに、国の顔なのです。国の顔がそんな泣き顔ならば周辺諸国に付け入られ、国民も不安に思います。また、貴方逃げるので必死で人にぶつかったり市場の売り物をひっくり返したり、正直言って尻拭いが大変でした。」
俺は姉上の発言に理不尽さを感じて、拳を力いっぱいテーブルにたたきつけた。
「貴方が逃げるので必死でぶつかったおばあさんは、足の骨を折る重傷ですが医療費ってどうするんでしょうか?貴方が逃げるために花売りのお嬢さんのかごの花は踏まれて売り物にもなりません。彼女は今日お腹一杯に食べられたでしょうか。」
姉上のその言葉を聞いても、何故か俺は自分が一番不幸だと思ってしまった。
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