~ギース・ロディ―ド・シュバルツの嫌いな人~

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~ギース・ロディ―ド・シュバルツの嫌いな人 ギースside~ 馬車の中でも、凛とした姿勢で俺の向かいに座る姉、ノア。姉は、揺れる馬車の中にも関わらず、手のひらに収まるくらいの本を読んでいた。俺は、姉上を見ていると自分は姉に勝てるところがないように感じてしまい、馬車の窓から見える街を見た。 「ノア姫様、ギース王子、研究所に着きました。」 俺は姉上より差に立ち上がり馬車から降りると、姉上に手を差し伸べた。姉は少し目を見開き俺を見たが、俺の手を取り馬車から降りた。それから姉と俺は、専属教師の話を聞きながら研究室見学を続けた。研究室はガラス張りでほとんどの研究室はドアが開きっぱなしになっていた。ある研究室で、俺が足を止めた。それに気づいた専属教師は、研究室の説明をした。 「ギース王子、こちらは魔法生物についての研究を行っています。気になるならば、詳細を中でお教えいたしましょうか。」 この世界には、魔法生物というものがある。魔法生物には様々な姿形をしていて、人類には使えない魔法が使える。魔法生物と契約し主人になると、主人が契約を破らない限り主人に仕える。しかし、いまだ未知の生物であり、様々な研究が行われている。 俺は、興味を持ち、「教えてほしいです。」と専属教授に顔を向けた。そこにいた専属教師は、見たことのない優しい表情で俺に笑いかけていた。 研究室内に入り、椅子に座ると専属教授が研究内容を説明した。 「ここでは、魔法生物の中でも自然の力を持つ純妖精を扱っています。純妖精は個体によって使う魔法が異なりますが、種類は火、水、風、雷、土、植物の6つです。純妖精はみな、小さい人型に羽が生えて宙に浮き、可愛らしい姿をしておりますが、人の好き嫌いが激しく、力も強力です。また、契約をしても本能のまま自由に動き回ることが多いですね。だから、ほとんどの研究室がドアを開けて妖精たちにストレスを与えないようにしています。」 「先生、今、妖精を見ることはできないですか?」 俺は、魔法生物に興味を持ち専属教師に聞いた。専属教師は、今までに見たことのないような嬉しそうな表情で「えぇ。できますよ。」といった。俺の横にいた姉上の口角が少し上がっているような気がした。
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