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波切「闇はね、人をかどわかすのさ。見つめてはいけないよ、引きずり込まれるからね」
紫穂「......もう、満島さんには会えないんですか」
波切「......さあね、君次第じゃないかな?報酬は払っといてよね、あの君を連れてきた人に聞いてサ」
紫穂「えっ、あっ、はい」
波切「んじゃあ、......良い夜を。じゃあね」
紫穂「...はい」
紫穂が家のドアを閉める直前、波切が闇に溶けるように消えたのが見えた。
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化物も、非科学的なものも、確かに存在する。
あの後、事務所の場所に行こうとした。
だが事務所のあった細路地は見つからず、会えずじまい。
警察で小駒さんには会ったが、「あいつは気まぐれだからなぁ」と困ったように笑っていた。
貴方も信じられない事に直面する事がいつか、あるかもしれない。
でも、考えてみて欲しい。
貴方の見ている世界だけが、この世界じゃない。
闇に目を向ければそこには確かに、何かが蠢いている…。
困った時は、扉を叩いてみて。
きっとにやりと笑う、不思議な少女が助けてくれる。
あの獣と一緒にね。
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