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小駒「あの化物に遭ってもまだそんな事が言えるか?」
紫穂「......そうですね、それもそうでした」
小駒「ここだ」
小駒に連れられて来たのは、事務所のような所だった。
簡素な部屋に机とソファが応接間のように用意されており、女の子が座っている。
「おっそいよ阿呆」
座っているのは私とそう歳も変わらなそうな若い女の子。
肘掛けに寄り掛かり、反対の肘掛けに足を載せて足を組んでいる。
小駒「すまない、彼女が依頼人だ」
紫穂「え?依頼人?」
「なんだ、そいつから説明は聞いてないのか。相変わらず口下手な奴」
女の子は横柄な態度でそう言う。
小駒「電話してすぐに来たんでな。俺は仕事に戻るぞ、後は宜しく」
「ハイハイ、じゃーね」
面倒臭そうにひらひらと手を振る女の子。
小駒が出て行くと、女の子がこちらを見た。
切れ長の瞳に軽くウェーブのかかった黒髪、ショートカットの短い髪を後ろで括っている。
パーカーにズボンというズボラそうな格好をしたその女の子は、あの化物を駆除出来るとは到底思えなかった。
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