短編 怪(あやし)は人の傍らに 2話

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波切「そうかい。じゃあ明後日、8時前にこの事務所に来て。今日は君の家まで送るから」 紫穂「えっ、大丈夫ですよ、お互い女性ですし満島さんも危ないでしょう」 波切「大丈夫大丈夫、護衛がちゃんといるからね」 紫穂「...?」 波切「さ、行こうか」 波切が事務所の扉を開けると、細い裏路地に出た。狭くて仄暗い、野良猫なんかが通ってるような路地だ。 紫穂「こんなとこから...」 波切「こっち側が警察の方行く大通りに繋がってる道ね、んであっちが森側」 紫穂「あ、じゃあこっちだと思います」 波切「はいはい」 その路地を抜けると、見覚えのあるいつもの道へ出た。 紫穂「こんなとこにこんな路地あったんだ...」 波切「人間の認知ってのはツメが甘いもんさ」 紫穂の家へ向かう道を2人で歩く。 紫穂「......あの、満島さんは...式鬼神遣い、って」 波切「そうだよ」 事も無げに言う波切。 実際、波切には大した事では無いのだろう。 紫穂「...どんなお仕事なんですか?満島さんも私と歳、あまり変わりませんよね?」 波切「そうだね、学校通いながらだし。文字通り式鬼神使って、バケガミっていう化物倒す仕事だよ」 紫穂「......命懸け...ですよね...?」 波切「自分の身を惜しみながら他の者の命を奪える訳が無いだろ。死ぬ時は死ぬさ」     
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